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栗栖増人来兵衛日乗

いろいろやりすぎて収拾のつかない栗栖増人来兵衛の好き勝手な日記
烏賀陽弘道著「原発難民~放射能雲の下で何が起きたのか」
烏賀陽弘道著「原発難民~放射能雲の下で何が起きたのか」_e0181546_1763749.jpgジャーナリスト・烏賀陽弘道氏の新著「原発難民~放射能雲の下で何が起きたのか」(PHP新書)を読んだ。

烏賀陽氏については、ツイッターで原発関連の情報を当たっている中で知り、フォローしている。またツイッター上で「烏賀陽大学入試問題」を投げかけていて、初めはなにすればいのかわからなかったが、昔やっていた「萬流コピー塾」の乗りで、私も「受験」している。

新著を読み始めて驚いたのは、まずは内容よりも平易さ。初めて読む人の文章というのは、場合によってなかなか慣れなくて、内容が頭に入ってこないこともある。氏の文はとてもしっくりくる。ツイッター上では時により乱暴な言葉遣いもあったりするが、この本の文章は静かだ。取材をベースにして、質実に書き上げている。静かな文の中の一文一文に想いがこもっている。実は先行して読み始めた他の本があったのだが、思わずこちらを先に読むことに切り替えた。

取材を1年以上重ねた上での確信として、放射能による健康被害以前に、すでに被害は深刻である、と言う。

①意志に反して家や故郷を追われ、
 その地で長年培ってきた歴史や文化が失われた。

②家族や友人、地域などのコミュニティに分断と対立が生まれた。

③家族がばらばらに住まざるをえなくなった。

④避難者とそうでない人のあいだに偏見、差別、対立が生まれた。

⑤長期間の避難生活で心身が疲弊し、健康を維持できなくなった。

そして、こうした被害の多くが、原子力災害以外では起こりえなかった種類の災害である、と指摘する。

この本を読み始めたのが、このブログでこの前に書いた、映画「希望の国」を見た直後というのも、全くの偶然ではないような気もする。原発事故の後も未だに「原発事故で直接死んだ人は一人もいない」と嘯く人がいる。彼らには、現実に起きてしまっているこういった事態はどう見えるのだろうか。あるいは見る気もないのだろうか。

第四章の「被爆者も避難者も出さない方法は、確実にあった」も考えさせられる。

昨年の原発事故のような事態は予測されていて、実はその対応策まで策定されていた。にもかかわらず、それが実行されなかったという指摘。今に至ってもそれを再検証することもなく、いざという時の避難方法等を見直すこともなく、再稼働に向けていろいろと策動する政府とは一体何なのか。

またぞろ選挙、選挙と声が強くなってきている。現行の選挙制度で脱原発の方向付けをするというのも難しいことではあるが、本当に真剣に考えなければいけない時期でになってきている。
# by kurijin-nichijo | 2012-11-10 17:57 | 時事
映画「希望の国」
映画「希望の国」_e0181546_17253316.jpg園子温監督の「希望の国」という映画を見た。福島の原発事故のあとに、再度原発事故に襲われた架空の「長島県」での物語となる。

事故が発生し、まずはXkm圏に避難命令が出る。唐突に引かれる規制線。機械的に引かれた線を挟んだ一方は強制避難となり、もう一方は対象外となる。残った側の主人公は自分と妻は残ることにして、息子夫婦は自主避難させる。

いろんな人が出てくる。避難所で暮らす人々はもちろん。自主避難した息子の妻は、妊娠をきっかけに放射能ノイローゼになり、防護服を着て外出する。食料もガイガーカウンターで自ら測定して買う。

そんな彼女の姿を揶揄する避難先の住民たち。
息子も仕事は見つけたものの、そんな妻の様子を同僚から責められ、この土地から出ていけと罵られる。

避難せずに残った主人公の所には、その後の強制避難地拡大のため、役所の職員が説得に来る。若い方は、避難しようとしない主人公に「自分たちだってこんな危険なところに何度も来たくないんだ」と突っかかる。

きつい映画だった。その「きつさ」は今までに観てきた映画とは異なる。そこで描かれている人たちを、誰一人として非難できないのだ。非難できる権利などまるでない。

そしてどの一人に対しても共感できないのだ。いや、共感を拒否されている。おそらくそれは当事者でない、という一点に尽きる。

そしてそれが現実に福島県で引き起こされていることなのだ。
「きつい」映画でした。
# by kurijin-nichijo | 2012-11-08 17:59 | 映画・芝居
半身動作研究会「歩くと走る」
半身動作研究会「歩くと走る」_e0181546_1094984.jpg昨晩は中島先生の半身動作研究会「歩くと走る」に参加。講座自体はいろいろな切り口から開かれていて、それぞれ興味はあるのだが、諸事情で今は「歩き」に関連する講座を月一回は受講するようにしている。

初めは甲野善紀先生の本等で筋トレではない本来の身体の使い方への興味から入った。甲野先生の講座にも一度参加したものの、その動きの凄さしかわからない。自分にも理解できるアプローチを探して別な講座にも参加したりしていたけど、mixi繋がりで中島先生に辿り着いた。

私の主目的が「歩きを極める」なので、講座で学んだことなどを反芻しながら、日頃歩いてはいるのだが、なかなか身に着かない。長年の癖でどうしても特に右膝が内側に入る。その原因としては足の親指側で蹴り出して歩く癖がどうしても抜けない。

その辺りは少しはましになってきたかなとは思うが、そうしないように気をつけてはいるのものの、足で蹴り出す癖から逃げられない。昨日もゆっくり走りをしていたら右のアキレス腱が張ってきた。蹴っている証拠。

他の参加者からの流れで姿見を使った。合間にその前に立ってみたら、右肩に比べ左肩が上がっている。高校に入って陸上部の最初の練習の時に先輩にも指摘されたことがある。50年以上の付き合いなのかもしれない。

中島先生に聞いてみたら、重心が右に偏ってるのかもしれないとのこと。振り返ると、全てというわけではないけれど、右膝やみぎアキレス腱に問題が生ずることが多い。気持ち左側に重心を寄せて動いてみたら、という指摘を受けてやってみたら、それだけで随分と動きがスムーズになった。指摘された直後は効果的だけど、しばらく経つと戻ってしまう、ということもよくあるので一概には言えないけれど、しばらく意識をそこに向けて試してみます。

半身動作研究会の「技あり」ブログ
http://hanmidosa-waza-ari.cocolog-nifty.com/blog/
# by kurijin-nichijo | 2012-10-18 10:38 | 歩行術・古武道
alpha(二胡&アルバのデュオ) LIVE in 天真庵
alpha(二胡&アルバのデュオ) LIVE in 天真庵_e0181546_10101689.jpg15日(月)は押上にある長屋茶房天真庵での二胡とアルバのデュオのライブ。

今井美樹さんが来るという話に乗せられて、布袋さんは来ないのかなどとふざけていたら、その流れでライブ行くことになった。ちなみに二胡奏者がMikiさんという山口在住の女性で、字まで同じかどうかはわからないが、同姓同名とか。アルバ奏者はTakakoさん。これに曲によってギターの男性(お名前失念)が加わる。

驚いたのは二胡の音量。若干PAも通してはいたが、休憩時に傍で弾いてもらったら響きが通る。演奏を聴いていて、まるで歌っているような感じがしました。二胡は二弦。竿と弦の間に弓に張った弦(正式名称が不明なので、以下「弓弦」)を通すので、一度弦を張ると本体と弓は分けられない。

それだけでも「へ~ぇ」と思ったけど、弓弦は表側と裏側両方を使うという意味が分からなくて尋ねたら、弓弦はさらに2本の弦の間を通ってて、二度目の「へ~ぇ」でした。

アルバにもビックリ。てっきり膝の上に載るくらいの大きさとばかり思ってましたが、意外と大きかった。クラシックで見るハープよりも一周りか二周り小さいだけ。クラシック用は47弦固定らしいですが、アルバは37弦から41弦まで自由度があるそう。あのハープ独特の音色は、そっと心に沁み込んできますね。

ギターは4種類くらい持ってこられて、あれこれと使ってられました。そのうちのチャランゴという4弦のギターはアルマジロの甲羅を使ったもの。今では作れないし、輸入も国内持ち込みもできない貴重なものだそうです。ちょっと音を出させてもらったら、全くの開放弦でも和音になってる。聞いてみたらG6になってるそうでした。

なんか「今井美樹」という言葉に引っかかって、巻き込まれて行ったようなライブでしたが、結果なかなか楽しく豊かな気分になれました。やっぱりライブはいいですね。
# by kurijin-nichijo | 2012-10-17 10:46 | 音楽
朱(あけ)の海~巾着田
朱(あけ)の海~巾着田_e0181546_22173748.jpg
知人のFACEBOOKで写真を見て驚愕。遠い所かと思ったら、日高市の巾着田の曼珠沙華の群生だという。巾着田ならその昔、高校時代に仲間とハイキングに行き、その辺りを歩いたことがある。

その写真の赤の群生は圧倒的で、ネットで調べたら1週間延長して、今日まで曼珠沙華祭りをやっているとのことだったので、急遽行ってきた。我が家から1時間半ほどの距離。「巾着田曼珠沙華公園」は今年の場合、9月10日から10月10日までが有料期間(200円)。今年は暑かったため開花時期が遅れて、この時期でもまだ咲いているようだ。

実際、高麗駅からの最寄りの入り口近くにある群生はもう盛りを過ぎていた。奥に遅咲きの群生があるというので、撮影スポットを探しながら散策。なんだかんだと100枚近くの写真を撮ってしまいました。デジカメならではですね(苦笑)。

朱(あけ)の海~巾着田_e0181546_22371056.jpg朱(あけ)の海~巾着田_e0181546_22375673.jpg
肉眼で見ると遅咲き地帯でも盛りを過ぎている花も有り、なんとか好みのスポットを選んでみました。写真にすると便利なのは、赤が強いので萎れ気味の花でも接写でなければそれなりに写ってしまう(笑)。

もう少したつと、今度はコスモスの群生、そして春には菜の花の群生が見られるとか。黄色い海もまた見てみたいと思います。

余談ですが、高校時代と言ったらもう40年前。その時は、山から下りて駅に着いたら西武池袋線が不通。駅で開通を待つ間、ホームで仲間と当時はやってたフォークダンスの一つジェンカなどを踊ったりしてたら、JR川越線経由の臨時電車が出て、無事帰ってきたのを思い出しました。古い記憶は直ぐに蘇ります(笑)。
# by kurijin-nichijo | 2012-10-08 22:53 | 旅日記


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