栗栖増人来兵衛日乗

いろいろやりすぎて収拾のつかない栗栖増人来兵衛の好き勝手な日記
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カッチーニの「Ave Maria」
何年前だったかの暮にテレビから流れてきた歌声に震撼した。
番組名は忘れたが、「地球交響曲シリーズ」の龍村仁監督とユーミンがコラボした番組。翌日、龍村事務所に電話を入れて「あれは誰が歌ってるんだ」と確認。それでわかったのが鈴木慶江さん歌うところの「Ave Maria」。

e0181546_14481760.jpgとりあえずは地元の図書館で左のCDを借りてきて聴いて、またまた大感激。なにせ歌詞といったら「Ave Maria」以外は「アーアーアー」しかなくて、それでいてここまで心に迫ってくる歌は初めて知りました。そしてその作曲家が「カッチーニ(Giulio Caccini)」だと知りました。

この曲はその後「地球交響曲第五番」でも、天河神社での灯篭流しのシーンから出産シーンの辺りまでに流れ、「第六番」でもクジラの歌とのコラボだったと思うけど、とても印象的なシーンに使われている。ご本人には今年4月にあった龍村監督の祝賀パーティで会うこともできた。

で、である。
今週火曜日にTIMEDOMAINスピーカーの試聴会があり、二度目の参加のKさんから不可思議な話を聞いた。前回の時にカッチーニの「Ave Maria」が話題になった。その後、Kさんがネットで調べてみたら、この曲はカッチーニの作曲ではないことがわかったという。Kさんがその資料を送ってくれたんだけど、英語で書かれていて概要しか読み下せない。

そこで私もネットで当たって見たらあっさりと出てきました。
以下Wikipediaからです。

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"カッチーニのアヴェ・マリア"

実際には1970年頃ソ連の音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフ(Vladimir Vavilov 1925-73)によって作曲された歌曲である。

録音も楽譜も90年代前半まで知られていなかった。出典が明らかにされず、現在入手出来る出版譜は全て編曲されたもので、歌詞がただ"Ave Maria"を繰り返すだけという内容もバロックの様式とは相容れない。

ヴァヴィロフは自作を古典作曲家の名前を借りて発表する事がよくあったが、自身が共演しているIrene Bogachyovaの1972年の録音では「作曲者不詳」の『アヴェ・マリア』として発表していた。ヴァヴィロフの没後十年を経てCD録音されたMaria Bieshu(1996)やイネッサ・ガランテのデビュー盤(1994)では作曲者が"D. Caccini"と表記され、ジュリオ・カッチーニの作として広まった。

初期の録音にはBieshuとガランテのほか、スラヴァ(1995)、Lina Mkrtchyan(1990)とソ連のアーティストによる演奏が並ぶ。20世紀末レスリー・ギャレットやスラヴァのCDで一気に知名度が高まり、多くの歌手が録音し映画にも使われた。

以上のような事実はCDや楽譜の楽曲解説では言及が無く、現在一般にはカッチーニ作品と誤認されている。
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そんなことってあるんですね。

鈴木慶江さんの歌を聴いて若干疑問に思っていたことはあります。それは楽器の伴奏は原曲通りなんだろうかということ。古典音楽に詳しくはないのですけれど、聞いた話ではクラシック界では楽譜通りに演奏することが重視されるとのこと。鈴木慶江版の伴奏はそれ自体は個人的には大好きなんだけれど、どことなく原曲通りではないのではと感じていた。他の歌手の「カッチーニのAve Maria」を聴いても同じ伴奏ではない。とはいうものの、それ以上の興味はなく、最近はクラシック会も多少は緩くなってきているのかな、くらいに考えていた。

Wikipediaの内容を読んで納得。録音も楽譜も十数年前まで知られていなかったとすれば、当然のことですね。もっとも私としては、カッチーニに関する知識も乏しく、ファンでもなく、この曲自体が好きなだけなので、だれの作曲だろうとなにも困りませんけれどもね。

いままで聴いた中ではやっぱり鈴木慶江さんのが一番心に迫ります。
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by kurijin-nichijo | 2010-08-13 15:38 | 地球交響曲
映画「カティンの森」
e0181546_16425544.jpg見逃した「カティンの森」を早稲田松竹でやっているというので見に行ってきた。
実にきつい映画だった。

第二次大戦勃発直後、ソ連軍の捕虜となった約4400人のポーランド人将校、国境警備隊員、警官、一般官吏、聖職者がソ連の内務人民委員部(NKVD)によって銃殺された事件を題材としている。ただ事件そのものを描くだけだけではなく、ドイツ、ソ連という大国に入れ替わりに占領されたポーランド下で生きる人たちが描かれている。それが身につまされるようで、実にきつい。

大戦初期にはドイツの占領下で、そのプロガバンダのために同事件に対してソ連糾弾の署名を強制される人がいる。拒否すると、ドイツが「カティンの森」での沢山のポーランド人の遺体の発見、発掘した時の映像を見せられる。

その後ドイツの変わりにソ連が占領するようになると、同事件はドイツが起こしたものと言うでっち上げを拒否するものは全て処罰されるようになる。ポーランドの独立解放運動に関わる人たちは、ソ連の占領下で生き残る場所をどんどん狭められていく。

「この国にはもう本当の自由はありえない」と自らを納得させようとする人。耐え切れずに、そうすれば処罰されてしまうことがわかっていても、行動してしまう人もいる。せっかく虐殺から逃れて生き残った将校も、上司や同僚が殺されてしまったこと、自分が今はソ連指揮下にあることに耐えられず自殺してしまう。その他いろいろな悲劇が。

きつさは、この時代、この国に自分がいたとしたら、いったいどういう行動を取れるのだろうかという点から来る。初めは面従腹背であったとしても、どこかで堪えきれず爆発してしまうのが落ちのような気がする。

昨晩のNHKの番組で「シベリア抑留」を取り上げていた。これは初めて知ったことだったけど、過酷さは生死の問題だけではなかったんですね。「ダモイ」、帰国が進む中で、ソ連側が日本人捕虜に社会主義教育をしようとし、それをよく理解したものを優先する動きをする。さらにどれほど理解が進んだか否かについて、密告制度を取り入れたために、日本人捕虜内に不信と軋轢が生じる。

さらには帰国できて喜んでもいられない。「赤」というレッテルを貼られて、故郷の人たちからも仲間外れにされ就職もままならない。ようやく就職の世話をしてくれるという人のところに行けば、労働組合に潜り込んで、組合の情報を流すというのが条件だったりする。

ポーランド人が置かれた状況と、シベリア抑留の日本人が置かれた状況とはもちろん違うことではあるけれど、人間の行いの浅はかさに暗澹としてしまいました。
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by kurijin-nichijo | 2010-08-09 17:29 | 映画・芝居
マレーシア航空の楽器の扱い
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今ギターを習っている。「先生」は魂のギタリスト・中村ヨシミツ。初心者から「下の中の下」級者まで揃って、ヘタすると弾いているよりコーヒー飲んでたりおしゃべりをしてる方が多いのではという、お気楽教室。しかも1回1,000円の超お得価格(笑)。

弟子たちの使っているギターの値段も凄い。一人は525円、も一人は2,100円、私のはさらに高く3,382円。残念ながら我が知人が最近合流して、そのギターが10,000円とのことなので、「最高価格」のうたい文句が使えなくなった。

一度ヨシミツさんのギターを弾かせてもらってビックリ。音が違うのは当たり前だけれど、その先入観をはるかに越えたいい音。しかも弦が押さえやすいことといったら、Fコードなんかもピタッと吸い付くように押さえられる。値段の差とはこういうものなのかと実感させられました。

そんな「先生」が使うギター。値段もさすがに桁がちがう。そんなギターが大破したという。今年5月31日にマレーシア航空で帰国。自宅に戻ってギターケースを開けてみたら写真の状況。50年になんなんとするギター人生のうちの30年間のを支えてくれたスペインの名器「ホセ・ラミレス(クラス1a)」が見るも無残。現在では新品で200万円もするもので、修理はできるにしても80万円もかかるという。

e0181546_15532669.jpge0181546_1553536.jpge0181546_15541347.jpge0181546_15551312.jpg
















左上の写真にあるようなケースに入れて、その上でこの壊れ方というのは相当乱暴な扱いをされたとしか思えない。にもかかわらず補償は一切なしだそうだ。最近では荷物の持込についてかなり制限がきつくなってきていて、ご存知の通り楽器を機内に持ち込む場合は別途料金を取られる。しかもたしかほぼ一人分の座席料金を要求されるはず。なのでオーケストラの飛行機での移動に対しては大変な費用が発生していると聞く。

しかも楽器によってはそもそも機内に持ち込みようもない大きさのものもある。それがこんな扱いを受けると知ったら、音楽家たちはどうしたらいいのか困ってしまうのではないだろうか。保険を掛けておくべきというレベルの話では内容に思うけど、皆様いかがでしょう。

ほんとにこれでいいのか、マレーシア航空。
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by kurijin-nichijo | 2010-08-05 16:08 | 音楽


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